月経カップを使い始めたとき、一番気になるのが「お手入れ」じゃないかなと思います。特に「消毒」って、ちょっと面倒に感じてしまいますよね。
「毎回じゃなくていいかな?」「水で洗浄のみじゃダメなの?」と、ついサボりたくなっちゃう気持ち、私も分かります。でも、月経カップを煮沸しない、つまり消毒しないとどうなるのか、その危険性についてちゃんと考えたことはありますか?
消毒の頻度を間違えたり、適切なお手入れを省いたりすると、実は思わぬ健康リスクにつながる可能性もあるんです。
この記事では、月経カップの消毒をしないと起こり得るトラブルや、安心して使い続けるための正しいケア方法について、詳しくまとめてみました。
記事のポイント
- 月経カップを消毒しないことの具体的なリスク
- 生理期間中と期間終了後のお手入れの違い
- 簡単な消毒方法3つのパターン(煮沸・レンジ・消毒液)
- 100均アイテムの活用法や正しい保管方法
月経カップを消毒しないとどうなる?考えられるリスク
「ちょっとくらい大丈夫」と思ってしまいがちですが、膣内に直接挿入するものだからこそ、衛生管理はすごく大事です。消毒を怠ると、どんなことが起こり得るんでしょうか。
最も怖い「トキシックショック症候群(TSS)」
まず知っておきたいのが、トキシックショック症候群(TSS)という、まれではあるけれど非常に深刻な病気のリスクです。
TSSは、黄色ブドウ球菌などがつくる毒素によって引き起こされ、突然の高熱や嘔吐、めまいなどの症状が出て、最悪の場合、命に関わることもあるとされています。
月経カップとTSSの関連報告は非常に少ないとされていますが、ゼロではありません。手指が清潔でないままカップを挿入したり、長時間使用しすぎたり、そして消毒が不十分なカップを使ったりすることで、この菌が増殖しやすくなる可能性が指摘されています。

リスクを避けるためにも、消毒はやっぱり重要なんですね。
細菌の温床に?バイオフィルムの形成
消毒が不十分なカップの表面には、「バイオフィルム」という、細菌が集まって作る膜(ヌメリみたいなもの)ができてしまうことがあります。
研究によると、月経血が残ったカップは微生物の温床になりやすく、特にTSSの原因となる黄色ブドウ球菌が付着・増殖しやすい環境を作ってしまう懸念があるそうです。
一度バイオフィルムができてしまうと、普通の洗浄だけではなかなか落とせないのが厄介なところ。だからこそ、定期的な「消毒」でリセットすることが大切なんです。
かゆみや不快感の原因(カンジダ・細菌性膣炎など)
消毒していないカップを使うことは、膣内の細菌バランスを崩す原因にもなりかねません。
例えば、以下のような膣内感染症のリスクが高まる可能性があります。
- カンジダ膣炎: カップに残った菌が膣内の環境を変え、カンジダ菌が過剰に増殖すると、かゆみや灼熱感、おりものの変化などが起こることがあります。
- 細菌性膣炎: 膣内の良い菌と悪い菌のバランスが崩れることで起こります。
- 尿路感染症(UTI): 不衛生なカップが尿道を刺激し、感染リスクを高める可能性も考えられます。
デリケートな部分だからこそ、清潔を保つことが不快な症状を防ぐ一番の近道ですね。
月経カップの正しい消毒方法【基本の3ステップ】
リスクを避けるためには、正しいお手入れが不可欠です。月経カップのケアは「洗浄」と「消毒」の2種類あると考えると分かりやすいですよ。
ステップ1:使用中(交換時)の「洗浄」
生理期間中にカップを取り出して、中身を捨てて、また装着する時。この時は、毎回「消毒」する必要はありません。
流水(またはぬるま湯)と、デリケートゾーン用ソープや月経カップ専用の石けんでしっかり洗えばOKです。このとき、カップのフチや空気穴に経血が残らないように丁寧に洗うのがポイントです。
ステップ2:生理終了後(または開始前)の「消毒」
一番大事なのがコレですね。生理が終わって次に使うまでの間、必ず「消毒」を行います。
この「消毒」によって、ステップ1の「洗浄」だけでは落としきれない可能性のある細菌をしっかりリセットします。主な消毒方法は次のセクションで紹介しますね。
もちろん、生理が始まる前に「これから使うぞ」というタイミングで消毒するのもOKです。
ステップ3:清潔な「保管」
消毒が終わったら、しっかり乾燥させることが重要です。
保管する時は、湿気がこもらないよう、通気性の良い布製の袋や専用ケースに入れましょう。密閉されるビニール袋などは、カビや細菌が繁殖する原因になる可能性があるので避けたほうが安心です。
どうやって消毒する?簡単な方法3選
「消毒」と聞くと難しそうですが、方法は意外と簡単です。主に3つの方法があるので、自分のライフスタイルに合うものを選んでみてください。
1. 鍋を使った「煮沸消毒」
一番スタンダードで確実な方法が、お鍋で煮沸(しゃふつ)消毒する方法です。
- 月経カップ専用の小さなお鍋を用意します。(食品用と分けるのがおすすめです)
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、月経カップを入れます。
- カップが鍋底に触れるとシリコンが傷む可能性があるので、菜箸や泡立て器などで浮かせながら、5分〜10分間ぐつぐつ煮沸します。
- 火を止めて冷ましたら、清潔な手で取り出し、しっかり乾燥させます。
「家族に見られるのが恥ずかしい」「鍋で煮るのが汚く感じる」という声も聞きますが、これは経血の汚れがカップに残ったまま煮沸するのが原因かも。煮沸前には必ず石けんでしっかり「洗浄」しておきましょう。それだけで、お湯の汚れやニオイはかなり防げるはずですよ。
2. 手軽で簡単「電子レンジ消毒」
「鍋を出すのが面倒…」という方には、電子レンジがおすすめです。
- 月経カップ専用のシリコンカップや、耐熱性のマグカップなどを用意します。
- 容器に月経カップを入れ、カップが完全に浸かるまで水を入れます。
- フタは完全に密閉せず、少しずらして蒸気の逃げ道を作ります。(密閉すると危険です!)
- 電子レンジ(500W〜600W)で、約3分〜5分加熱します。
- 加熱後は容器が非常に熱くなっているので、冷めるまで待ってから取り出し、乾燥させます。
これなら、キッチンに立たなくても消毒が完了するので、とっても手軽ですよね。
3. つけ置きだけ「ミルトン(消毒液)」
「火もレンジも使いたくない」という場合は、哺乳瓶などの消毒に使われる「ミルトン」のような消毒液(次亜塩素酸ナトリウム系)を使う方法もあります。
決められた分量の水に消毒液(またはタブレット)を溶かし、そこに洗浄した月経カップを15分〜1時間ほど浸けておくだけです。
ただし、この方法は月経カップの素材によっては推奨されていない場合があります。特にTPE(熱可塑性エラストマー)素材のカップは注意が必要かもしれません。

ご自身のカップが消毒液に対応しているか、必ずメーカーの説明書を確認してから試してくださいね。
月経カップ消毒の「めんどくさい」を解決するQ&A
最後に、月経カップの消毒に関するよくある疑問について、Q&A形式でまとめてみました。
Q1. 100均グッズでも代用できる?
A. はい、代用できるアイテムもありますよ。
例えば、電子レンジ消毒用のアイテムとして、100均(ダイソーやセリアなど)で売っている以下のようなものが使えます。
- 折りたたみ式のシリコーン容器
- フタ付きの耐熱ガラス容器やマグカップ
煮沸消毒用には、小さなミルクパンのようなお鍋や、カップが鍋底につかないようにガードするための「泡立て器」を専用に用意するのも賢い方法かなと思います。
ただし、サイズが小さすぎて水が溢れたり、耐熱性が不十分だったりする可能性もあるので、選ぶときは注意してくださいね。
Q2. 保管はジップロックでもいい?
A. 長期保管にはおすすめできません。
ステップ3でも触れましたが、ジップロックのような密閉されるビニール袋は、湿気がこもってカビや細菌が繁殖するリスクがあります。
消毒後はしっかり乾燥させた上で、必ず付属のポーチや通気性の良い綿の袋などに入れて保管しましょう。
外出先で一時的に持ち運ぶために(しっかり乾いた状態で)使うのはアリかもしれませんが、次の生理までそのまま…というのは避けてくださいね。
Q3. 煮沸消毒って、なんだか汚くない…?
A. 煮沸する「前」の洗浄がとても大切です。
「経血がついたものを煮る」と思うと抵抗がありますよね。でも、煮沸消毒はあくまで「殺菌」が目的です。
その前に、石けんや専用ソープで経血や汚れをしっかり「洗浄」しておけば、煮沸するお湯はほとんど汚れません。空気穴の詰まりなどもしっかり取っておきましょう。
この「洗浄→消毒」のステップを守れば、衛生的に消毒できるはずです。
まとめ:正しい消毒で月経カップと安全に付き合おう
月経カップは、正しく使えばとても快適でエコなアイテムです。でも、その快適さは「清潔であること」が絶対条件なんですね。
「消毒しないとどうなる?」という疑問の答えは、「TSSや膣内感染症など、深刻な健康リスクにつながる可能性がある」ということでした。
面倒に感じる日もあるかもしれませんが、自分の体を守るために、生理が終わった後の「消毒」だけは習慣にしてほしいなと思います。

煮沸やレンジ、消毒液など、自分に合った簡単な方法を見つけて、安全に月経カップライフを楽しんでいきましょう!



